SNSを悪用したネットストーカーの手口は「モザイクアプローチ」。個人情報が特定される例とその対策。

防犯

近年スマートフォンの普及によりYouTubeやFacebook、インスタグラムなどといったSNSを利用する方が増えている反面、それを逆手に取るように悪用して個人情報を抜き取られるネットスーカー犯罪が急増しています。

SNSにはYouTube(ユーチューブ)、Facebook(フェイスブック)、Instagram(インスタグラム)、LINE(ライン)、Twitter(ツイッター)、TikTok (ティックトック)と今では色々なものがありますが誰しもがどれか一つは利用したり興味が湧いたりするもの。

コミュニケーションツールとしては昔には無かった優れたツールともいえるこのようなSNSですが利用する際にはそこに潜む危険性を十分に把握した上で楽しむことが必要不可欠となります。

ネットストーカーとは

ネットストーカーとは主にSNSなどのインターネットサービスを利用してターゲットの個人情報を盗み取り、ストーカー行為をする者のことを指します。

今までは身近な人に対するつきまといや待ち伏せ、無言電話といった迷惑行為が主流でしたが、近年ではインターネットの普及により身近な人でなくても全国各地の人をターゲットにしたストーカー行為が可能となっています。

SNS上で自分が好き好んだ異性を探しては個人情報を盗み取ります。

個人情報を特定してターゲットの住んでいる場所を特定して押入り犯罪をしたり、盗聴器や盗撮器を仕掛けたりします。

SNSが広く普及する前まではストーカーといえば職場関係者や元交際相手、通勤時に居合わせるなどといったリアルに顔を合わせる又は見られる人間に多かったのが、今では全く自分が知らない相手から知らない間にストーキングされているケースが増えています

それもストーカー被害に遭っている事に気付けばまだ対策が出来るものの、それさえ気付かずに延々と自分の行動履歴や盗聴、盗撮されることも多々あるので恐ろしいものです。

投稿した写真から個人情報が特定される

なぜSNSから個人情報が盗み取られてしまうのか。

これは盗み取られているというよりも、特定されてしまうという表現の方が正しいかもしれません。

例えばSNSで投稿した写真には個人情報を特定する要因がたくさん詰まっています。

まず位置情報です。写真を撮るスマホの位置情報(GPS)がONになっている状態で撮影した写真には見る人が見れば撮影した場所を特定出来ると言われています。

また、その位置情報の他に個人情報を特定される要素があります。

撮影した写真の背景

SNSに投稿した写真には必ず何かしらの背景が映っています。

例えば駅やお店が映っている写真を投稿して「自宅付近にて」などとコメントすればその投稿を見た人が写真に映っているお店や駅を見てその近辺のエリアを特定することが出来ます。

また、マンホールやガードレールでも場所を特定されることもあるそうです。

例えばマンホールには識別番号が記載されているものがあり、その識別番号を読み取ることでそのマンホールがある場所から200m四方までエリアを特定することが可能です。

実はこの手の番号はマンホールだけではなく電信柱や鉄柱、鉄塔などにもエリアを特定出来る番号が割り振られています

現に最近では業務用になりますが目的地となるマンホールや電信柱、鉄柱、鉄塔などの番号を入力してそこにルート検索してくれるカーナビも販売されています。

たった一つの写真から読み取ったマンホールや電信柱の番号一つで遠く離れたところからストーカーが自分のところにやってくることもあると考えるだけでも恐ろしいです。

また、部屋で撮影した写真も窓の外の景色が映っていればその景色から場所を特定されることも多いし、カーテンやブラインドー、窓付近に置いてある家具や物が映っていると外から見た時に同じ物が確認出来ればあなたが住んでいる部屋を特定されてしまいます。

自撮りした自分の瞳や反射物

特定されそうな背景や物を映らないように撮影したつもりの写真でも個人情報を特定されるケースも増えています。

それは目の瞳に映った景色です。

最近のスマホカメラの性能が著しく向上したことによって解像度が上がり、写真を拡大しても鮮明に画像を確認することが出来ます

その為、目の瞳に映った景色を見るのはそれほど難しくないのです。

瞳の他、ガラスなど反射する物が付近に映っていればそこから何かしらの情報を得ることも可能となっています。

フォロワーや「いいね」が原因で特定される個人情報

いくら自分が徹底して気を付けていても残念ながら100%完璧に個人情報の特定を免れることは出来ません。

それは「いいね」に要因があります。

ネットストーカーはターゲットがどこに住んでいるのか、どんな人なのかなど情報が一切無いのでSNSだけを頼りに執拗に徹底して個人情報を探し回ります

ターゲットのSNSからは有力な個人情報が得られない場合、そのターゲットをフォローしている人や「いいね」を押している人のSNSを片っ端から隅々まで確認するでしょう。

自分が住んでいる地域や活動エリアが特定されないように写真を投稿していても「いいね」をしている友人や知人が自分と映っている写真をエリアが特定されるような背景付きで写真を投稿している場合があります。

「それを言わないで」という内容も友人や知人のSNSで投稿されていたりするとそこからヒントを得て個人情報を特定される原因にもなりかねません。

ネットストーカーの手口「モザイクアプローチ」とは

SNSを利用すれば身近な人や逢ったことがない遠くに住んでいる人でさえストーカー行為の対象に出来るとても気持ちの悪い世の中です。

SNSを利用して個人情報を特定してストーキングするネットストーカーの手口はモザイクアプローチと言われるもの。

モザイクアプローチとはSNS等に投稿された断片的な情報をパスルのように組み合わせて個人情報を特定する方法です。

SNSに投稿した画像・動画・コメントの内容の他、そのターゲットの友人や知人と思われる人からも同じように情報を集めて組み合わせ特定します

これを自分一人の力で完全に阻止するのは現状不可能ですが少なくとも自分と自分の周りの人にある程度の協力を求めることでその被害を最小限に抑えることは出来ます。

ネットストーカー被害の対策

ネットストーカーの被害に遭わない為の対策はまずネットストーカーという犯罪者がたくさんいることを把握して警戒することです。

こういった姿勢の元、SNSを利用すれば投稿する写真やコメント内容は自然と個人情報が特定されずらいものになるはずです。

ネットストーカーは本当に執拗なまでにリサーチ行為を行いますので「芸能人でもあるまいしそんなことされないよ」と思っているようではあまりに無防備であり、この先もっと情報化社会になる時代を生き抜く力を備えることが出来ません。

対策はネットストーカーは執拗である!ということを意識することが一番重要です。

その他の基本的な対策として

・背景や場所が特定される写真は投稿しない

・投稿する写真の解像度は落とす

・たまに友人・知人のSNSの内容をチェックし、削除してもらいたい内容があれば相談する

といった対策をすることをおすすめします。

ストーカーはその目的を果たす為なら普通の人はやらないことをやったり、普通の人では考えつかないことを考えついたりする人間と思ってください。

一般常識のある人には理解出来ない思考回路を持っていますので自分の普通の考えは捨てて、日々警戒心を持ってSNSを楽しむようにしましょう。