消火器の訪問販売が来たら詐欺を疑いましょう。悪質業者の手口とその対策。

防犯

突然自宅に消火器の訪問販売営業が来た場合、警戒が必要です。近年老朽化した消火器の破裂事故の危険性などの事例を紹介したり消火器を設置していない住宅に消火器の必要性を説き悪質な高額料金で消火器を販売する詐欺が横行しています。

このような悪質な消火器販売業者(業者を名乗る者を含む)の被害に遭いやすいのは相談出来る相手の居ない独り身の高齢者や知識がまだ浅く押しに弱い若い単身者です。

まだ消火器の訪問販売に出会ってない方は今後そのような訪問販売が来た場合、その場で即答したりせずに警戒することが必要です。

悪徳消火器販売業者の手口

高額な消火器を押し売りする悪徳業者の手口は基本的に住人の不安を煽るような事例を紹介し、いずれにしても必要な物だからといって消火器の相場を調べる時間を与える間もなく高額な料金で売りつけるようです。

総務省消防庁が公表する”消防関係製品の悪質な訪問販売・詐欺等について”の消費者の被害の内容によると悪徳業者は自らを点検業者と名乗り「消防署より依頼されて来た」と嘘を言ってまずは消費者の警戒心を緩和させてから消火器について話し出すという。

そもそも消防署が消防関係業者に点検を依頼することや消火器の委託販売など行うはずがありません。

最も押し売りされやすいパターンは既に消火器を設置している家です。

「消火器は持っていますので結構です」と断ろうとすると「耐用年数が切れていないか確認します」とか「型式によっては破裂事故が報告されているので無償で確認します」と言って既設の消火器の確認を始めます。

実は消火器の耐用年数は意外に短く製造日から起算して業務用で10年、住宅用で5年が使用期限の目安となっておりほとんどの世帯では一度購入・設置したら使う機会も無いので気付いたら使用期限が切れているケースがほとんどです。

その使用期限が切れた消火器を確認した悪徳業者は待ってましたと言わんばかりに新しい消火器の購入を促し高額な消火器代と古い消火器の処分料を請求してきます。

住宅に消火器設置義務や点検義務はない

飲食店や学校など多くの人が利用するお店や施設などの建物には消防法で消火器の設置義務基準を細かく規定されたり定期的な点検を義務付けられていますが住宅に関して現状、消火器の設置義務や点検義務はありません

したがって設置していないので消防法違反になるとか消費期限が切れているから何かあったら消防法上まずいことになると言われたらそれは嘘です。

住宅に関しては住宅用火災警報器の設置は義務づけられていますが消火器の設置義務は無いということを覚えておくといいでしょう。

悪徳業者による消火器販売価格

住宅用消火器はスタンダードなものであれば7,000円~8,000円程度、高性能を謳うものやデザイン性のあるものでも10,000円あれば十分おつりが返ってきます。

わざわざ見ず知らずの訪問業者から購入しなくても自分でホームセンターやインターネットで購入出来ます。

それを1本あたり15,000円以上で売りつけたり消火器の処分が特殊であることを理由に処分料込みといって更に高額な料金で売りつける事例もあります。

ちなみに消火器を廃棄する時は普通に燃えないゴミとして出すことは出来ず、リサイクルシートを購入して消火器に張り付けた上で特定窓口(消火器販売店に多い)や指定取引場所(消火器メーカーの営業所等)へ持ち込んで(引取費用は場所ごとに異なる)処分しますが持ち込んだ先でかかる費用は大した金額ではありません。

それに2010年1月以降に製造されている消火器は、消火器リサイクルシール付で販売されていますからリサイクルシート代は不要なのです。

全国の使用済みの消火器の持込み場所は消火器リサイクル推進センターが公式サイトでその引取窓口を案内していますので下記サイトをご参考にしてみてください。

悪徳販売業者が訪問して来たら

以上のような下知識を頭に入れておくことで急に悪徳業者が消火器販売をしてきても冷静な対応や判断をすることが出来ます。

まず日頃からインターホンが鳴ったらすぐに玄関ドアを開けることは避け、まずは訪問者の顔を確認して用件を聞きましょう。

そこで消火器の点検に来た・消防署の依頼で団地を回っているなどといったことを言われたらインターホン越しにお断りしたほうが防犯的にも無難です。

無駄に会話してしまうと相手も詐欺のプロなので逆に揚げ足をとられて面倒なことになりがちなので即答で断ることです。

不運にも庭先や玄関先に出ている時に消火器販売業者に声をかけられてしまった場合には「必要な時は知人の消防関係者に相談するので結構です」と伝えて家に入りましょう。

設置義務はないけど消火器は安全上必要

住宅の場合、設置義務はありませんが必要性はあります。

特に在宅中における住宅火災の多くは初期消火が出来るかどうかでその被害が大きく変わって来ます。

経験者は分かると思いますが天ぷら油に急に火が付いたり思わぬところから火が上がるとパニックになって何も出来ません。

火は驚くほどあっという間に燃え広がっていきますので家に消火器があればボヤで済んだものが火を消すことが出来なければ最悪の事態を招きかねません。

時間がある時にホームセンターなどへ行って消火器を見に行ってみましょう。